うつ病の経過

アメリカの操作的(そうさてき)診断(しんだん)基準(きじゅん)DSM−IV−TR(精神(せいしん)疾患(しっかん)の分類(ぶんるい)と診断(しんだん)の手引き(てびき))によると、うつ病(うつびょう)の有病率(ゆうびょうりつ)は、時点(じてん)有病率(ゆうびょうりつ)(ある時点(じてん)で過去(かこ)1ヶ月(かげつ)以内(いない)にうつ病(うつびょう)と診断(しんだん)できる状態(じょうたい)にあった人(ひと)の割合(わりあい))は、1.0パーセントから4.9パーセントで、約(やく)2.8パーセントという平均(へいきん)結果(けっか)が出(で)ています。日本(にっぽん)における調査(ちょうさ)によっても、時点(じてん)有病率(ゆうびょうりつ)は2パーセントとされます。しかも生涯(しょうがい)有病率(ゆうびょうりつ)は6.5パーセントといわれます。生涯(しょうがい)の間(あいだ)に15人(にん)から7人(にん)に1人(1にん)がうつ病(うつびょう)を発病(はつびょう)することから、うつ病(うつびょう)とは、誰(だれ)でもかかる「心(こころ)の風邪(かぜ)」といわれることがあります。しかし、だからといって、うつ病(うつびょう)は簡単(かんたん)に治す(なおす)ことができる、と考える(かんがえる)のは間違い(まちがい)です。うつ病(うつびょう)は、その60パーセントから70パーセントは、6ヶ月(かげつ)程度(ていど)の治療(ちりょう)で快復(かいふく)するといわれます。比較的(ひかくてき)短期(たんき)の治療(ちりょう)で快復(かいふく)する事(こと)症例(しょうれい)が多い(おおい)疾患(しっかん)といえるかも知れ(しれ)ません。しかし、その一方で(いっぽうで)1年以上(ねんいじょう)うつ状態(うつじょうたい)が続く(つづく)症例(しょうれい)が25パーセント程度(ていど)あることも忘れ(わすれ)てはいけません。必ずしも(かならずしも)すべての症状(しょうじょう)が容易(ようい)に快復(かいふく)するわけではないのです。また、いったん快復(かいふく)すればもう再発(さいはつ)しない症例(しょうれい)がある一方で(いっぽうで)、再発(さいはつ)を繰り返す(くりかえす)症例(しょうれい)があることも確か(たしか)です。うつ病(うつびょう)の治療法(ちりょうほう)は、かつては電気(でんき)けいれん療法(りょうほう)だけがその効果(こうか)を証明(しょうめい)されていました。しかしその後(そのご)、抗うつ薬(こううつやく)などの薬物(やくぶつ)療法(りょうほう)が発展(はってん)しています。それでも、うつ病(うつびょう)はその成因(せいいん)もさまざまで明らか(あきらか)ではないだけでなく、その経過(けいか)も多様(たよう)な可能性(かのうせい)があることもわすれてはならないでしょう。

うつ病

アメリカの操作的診断基準DSM−IV−TR(精神疾患の分類と診断の手引き)によると、うつ病の有病率は、時点有病率(ある時点で過去1ヶ月以内にうつ病と診断できる状態にあった人の割合)は、1.0パーセントから4.9パーセントで、約2.8パーセントという平均結果が出ています。日本における調査によっても、時点有病率は2パーセントとされます。しかも生涯有病率は6.5パーセントといわれます。

うつ病