箱庭療法

子ども(こども)のうつ病(うつびょう)有病率(ゆうびょうりつ)が高い(たかい)ことは社会的(しゃかいてき)に問題(もんだい)になっているなか、子ども(こども)は自分(じぶん)のうつ病(うつびょう)体験(たいけん)を言語(げんご)化(か)することが困難(こんなん)、あるいは不可能(ふかのう)であるという特徴(とくちょう)から、三環(わ)系(けい)抗うつ薬(こううつやく)の投薬(とうやく)治療(ちりょう)と並行(へいこう)して、非(ひ)言語的(げんごてき)な治療(ちりょう)として、遊戯(ゆうぎ)療法(りょうほう)や箱庭(はこにわ)療法(りょうほう)が推奨(すいしょう)されています。箱庭(はこにわ)療法(りょうほう)というのは、心理(しんり)療法(りょうほう)の一種(いっしゅ)です。縦(たて)57cm×横(よこ)72cm×高さ(たかさ)7cmの箱(はこ)のなかにクライエントが自由(じゆう)におもちゃを入れ(いれ)ていくという方法(ほうほう)です。おもちゃは、特に(とくに)決まっ(きまっ)ているわけではなく、セラピストが用意(ようい)したものを、セラピストが見守る(みまもる)なか、クライエントが自由(じゆう)に選び(えらび)、並べ(ならべ)ていくのです。表現(ひょうげん)療法(りょうほう)のひとつに位置づけ(いちづけ)られます。作ら(つくら)れた作品(さくひん)については、あとで説明し(せつめいし)たりして言語(げんご)化(か)されることもあります。基本的(きほんてき)には、自由(じゆう)に、見守ら(みまもら)れながら表現(ひょうげん)することが重要(じゅうよう)であるといわれます。もともとは遊戯(ゆうぎ)療法(りょうほう)として子ども(こども)を対象(たいしょう)にしたものでした。児童期(じどうき)(12歳未満(さいみまん))や思春期(ししゅんき)(12歳(さい)から17歳(さい))の年代(ねんだい)は、複雑(ふくざつ)な概念(がいねん)や言語(げんご)の構成(こうせい)が不得手(ふえて)です。そのため遊び(あそび)や象徴的(しょうちょうてき)な表現(ひょうげん)のなかで自己表現(じこひょうげん)をすることが多い(おおい)といわれます。よって非(ひ)言語的(げんごてき)な手法(しゅほう)による治療(ちりょう)は効果的(こうかてき)であるといわれています。現在(げんざい)では成人(せいじん)の治療(ちりょう)にも使用(しよう)され、精神(せいしん)障害(しょうがい)をもつ患者(かんじゃ)さんに用い(もちい)られています。英国(えいこく)の小児科医(しょうにかい)が発表(はっぴょう)した後(あと)、ユング心理学(しんりがく)として発展(はってん)、「砂遊び(すなあそび)療法(りょうほう)」として確立(かくりつ)しました。米国(べいこく)、ヨーロッパ各地(かくち)など世界中(せかいじゅう)で用い(もちい)られていますが、日本(にっぽん)でも1965年(ねん)、河合(かわい)隼雄(はやお)によって導入(どうにゅう)されて以来(いらい)、広く(ひろく)用い(もちい)られています。

うつ病

子どものうつ病有病率が高いことは社会的に問題になっているなか、子どもは自分のうつ病体験を言語化することが困難、あるいは不可能であるという特徴から、三環系抗うつ薬の投薬治療と並行して、非言語的な治療として、遊戯療法や箱庭療法が推奨されています。

うつ病