抗うつ薬使用の注意点

古い(ふるい)世代(せだい)の抗うつ薬(こううつやく)である、三環(わ)系(けい)抗うつ薬(こううつやく)や四環(わ)系(けい)抗うつ薬(こううつやく)と比べ(くらべ)、新しい(あたらしい)世代(せだい)の抗うつ薬(こううつやく)であるSSRIやSNRIでは、排尿(はいにょう)困難(こんなん)や眠気(ねむけ)といった副作用(ふくさよう)が軽減(けいげん)されてきたとはいえ、吐き気(はきけ)や性欲(せいよく)減退(げんたい)などの副作用(ふくさよう)があることは確か(たしか)です。副作用(ふくさよう)以外(いがい)にも、抗うつ薬(こううつやく)を用いる(もちいる)際(さい)に注意(ちゅうい)すべきことがいくつかあります。●自殺(じさつ)の危険性(きけんせい)抗うつ薬(こううつやく)、とりわけSSRIの処方(しょほう)を開始(かいし)した直後(ちょくご)に、未遂(みすい)も含め(ふくめ)、自殺(じさつ)のリスクが高まる(たかまる)という報告(ほうこく)があります。なぜそうなるかは、いろいろな説(せつ)があります。それまであまりにも重症(じゅうしょう)で自殺(じさつ)の意欲(いよく)すらなかった患者(かんじゃ)が自殺(じさつ)を図ろ(はかろ)うという意欲(いよく)をもってしまう、という説(せつ)、あるいはSSRIが受容体(じゅようたい)のダウンレギュレーションを行う(おこなう)ことから、処方(しょほう)を開始(かいし)直後(ちょくご)に一時的(いちじてき)にうつ病(うつびょう)の症状(しょうじょう)が悪化(あっか)する、という説(せつ)です。●躁状態(そうじょうたい)の惹起(じゃっき)うつ状態(うつじょうたい)の患者(かんじゃ)に抗うつ薬(こううつやく)を投薬(とうやく)すると、躁状態(そうじょうたい)になるというものです。これは疫学(えきがく)上(じょう)の反証(はんしょう)はありますが経験的(けいけんてき)に知ら(しら)れています。そのほか、抗うつ薬(こううつやく)を服用(ふくよう)すると気持ち(きもち)が明るく(あかるく)なるということで、抗うつ薬(こううつやく)を「ハッピードラッグ」として服用(ふくよう)する例(れい)が近年(きんねん)、増加(ぞうか)しています。前向き(まえむき)に生きる(いきる)姿勢(しせい)を促す(うながす)ことを目的(もくてき)としてのことでしょうが、抗うつ薬(こううつやく)の作用(さよう)は非常に(ひじょうに)複雑(ふくざつ)であり、深刻(しんこく)な副作用(ふくさよう)をもたらすこともあります。安易(あんい)な服用(ふくよう)は脳(のう)の機能(きのう)に変調(へんちょう)をもたらす危険(きけん)もあります。必ず(かならず)、専門医(せんもんい)の判断(はんだん)に基づい(もとづい)た処方(しょほう)が必要(ひつよう)です。うつ病(うつびょう)の治療(ちりょう)、特に(とくに)内因性(ないいんせい)うつ病(うつびょう)の場合(ばあい)は、その重症度(じゅうしょうど)にかかわらず投薬(とうやく)治療(ちりょう)が行われる(おこなわれる)のが一般的(いっぱんてき)ですが、抗うつ薬(こううつやく)を用い(もちい)ない治療法(ちりょうほう)もあります。軽症(けいしょう)の場合(ばあい)などは特に(とくに)、カウンセリングといった精神(せいしん)療法(りょうほう)のみが用い(もちい)られることもあります。

うつ病

古い世代の抗うつ薬である、三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬と比べ、新しい世代の抗うつ薬であるSSRIやSNRIでは、排尿困難や眠気といった副作用が軽減されてきたとはいえ、吐き気や性欲減退などの副作用があることは確かです。

うつ病