治療の判断

うつ病(うつびょう)は、DSMによる客観的(きゃっかんてき)な分類(ぶんるい)からはその症状(しょうじょう)の程度(ていど)からは、●「大(だい)うつ病(うつびょう)」(ある程度(あるていど)症状(しょうじょう)の重い(おもい)うつ病(うつびょう))と、●「気分(きぶん)変調(へんちょう)症(しょう)」(軽い(かるい)うつ状態(うつじょうたい)が続く(つづく)状態(じょうたい))のふたつに分類(ぶんるい)されます。一方(いっぽう)、臨床(りんしょう)の場面(ばめん)ではその成因(せいいん)から●「内因性(ないいんせい)うつ病(うつびょう)」(心理的(しんりてき)誘因(ゆういん)が明確(めいかく)でないもの)と、●「心因性(しんいんせい)うつ病(うつびょう)」(心理的(しんりてき)誘因(ゆういん)が特定(とくてい)できるもの)に分け(わけ)られます。心理的(しんりてき)葛藤(かっとう)に起因(きいん)しない内因性(ないいんせい)うつ病(うつびょう)の場合(ばあい)、治療(ちりょう)方針(ほうしん)は一般(いっぱん)の病気(びょうき)と同様(どうよう)で、病気(びょうき)であることを本人(ほんにん)と家族(かぞく)が認識(にんしき)し、気持ち(きもち)をゆったりもって養生(ようじょう)し、薬(くすり)を飲ん(のん)で快復(かいふく)に努める(つとめる)ことが大切(たいせつ)です。内因性(ないいんせい)うつ病(うつびょう)は、気持ち(きもち)のもちようで変え(かえ)られるものではないからです。内因性(ないいんせい)うつ病(うつびょう)の場合(ばあい)は、その重症度(じゅうしょうど)にかかわらず薬物(やくぶつ)療法(りょうほう)がとらえます。一方(いっぽう)、心理的(しんりてき)葛藤(かっとう)に起因(きいん)すると思わ(とおもわ)れる心因性(しんいんせい)うつ病(うつびょう)の場合(ばあい)は、その原因(げんいん)となった葛藤(かっとう)を解決(かいけつ)し、環境(かんきょう)を改善(かいぜん)するなどの対応(たいおう)が必要(ひつよう)です。場合(ばあい)によってはその誘因(ゆういん)を取り除く(とりのぞく)とたちまち症状(しょうじょう)が改善(かいぜん)することもあるのです。ただし、そのうつ病(うつびょう)が内因性(ないいんせい)のものか、心因性(しんいんせい)のものかを判断(はんだん)するのはかなり難しい(むずかしい)のが現状(げんじょう)です。精神科医(せいしんかい)の助言(じょげん)に従う(したがう)ことが大切(たいせつ)です。また、入院(にゅういん)するのか、それとも外来(がいらい)で治療(ちりょう)を進め(すすめ)ていくかの選択(せんたく)は、症状(しょうじょう)の重症度(じゅうしょうど)の判断(はんだん)が重要(じゅうよう)です。うつ病(うつびょう)は単なる(たんなる)心(こころ)の風邪(かぜ)として軽く(かるく)みることはできません。特に(とくに)、本人(ほんにん)に希(き)死(し)年(ねん)慮(おもんぱかり)や自己否定(じこひてい)傾向(けいこう)が強い(つよい)場合(ばあい)には、家族(かぞく)や周囲(しゅうい)の人たち(ひとたち)が速やか(すみやか)に本人(ほんにん)に、専門(せんもん)の医師(いし)の受診(じゅしん)をさせることが重要(じゅうよう)となります。

うつ病

うつ病は、DSMによる客観的な分類からはその症状の程度からは、

うつ病